第2話:フロー地獄からの旅立ち、香港へ

前回の内容

第1話:フロー地獄への入り口

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飲食店というアナログな世界を飛び出

した黒澤氏を待っていたのは、デジタル

社会の洗礼でした。

 

この10年間はPC、スマホ、WEBと

いったビジネス環境の変化すらも断絶

した「虎の穴」ハードワークなローカル

環境に身を置きすぎましたので浦島太郎

状態です。

 

ある意味、デジタル社会の社会人1年生として

歩み始めました。

 

もともと音楽芸術の素養のある黒澤氏には

「感性」と「飲食で培ったノウハウ」があるので

あっという間に仕事の依頼は舞い込みます。

 

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当時を大竹に聞くと

(大竹談)黒澤さんは、二つの能力が

とびぬけていましたので飲食店を運営

する方からすれば喉から手が出るほど

の人材でした。

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そのような状況ですので周りがほって

おくはずが有りません。

 

知人を通じて店を切り盛りしてほしい

というオーダーは沢山来たのですが、

「ここでまたどこかの店長をやっても

独立した意味がない」ということで、

飲食店コンサルという道を選んで歩み

出したのです。

 

 

幾つか案件をこなす中で、黒澤氏なら

ではの問題と向き合うことになります。

 

 

コンサルなのに、なぜかクライアント

のお店で店長と同じように中に入って

やってしまう。

(すべてが出来てしまうことと、問題が

店長にあることに気づいてしまうと、

そこに入って改善をやってしまう方が

早いし、得意分野なのです。)

 

 

人の役に立ちたい。早く結果を見せたい。

という思いが強く、コンサルの契約を

飛び越えてサービスしてしまうのです。

 

人としての良い面があだとなって

しまい、結果的にはコンサルタント業本来の

形である、ノウハウを高単価で売るという

ことを忘れてしまい(労働+ノウハウ)と

いう形で時間の切り売り状況になって

しまったのです。

 

 

コンサル契約には期限がありますので、

いつも過酷な課題を身を削って解決しても

 

「ごくろうさまでした」で期間終了です。

 

せっかくつぎ込んだノウハウから継続して

生まれる利益はクライアントに渡して、

自分にはなにものこらずにまた新しい

クライアント探しというループ、つまり

「フロー地獄」に入り込んでしまったのです。

 

 

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これってコンサルなら当たり前と思われる

方もいると思いますが、果たしてそうで

しょうか?

 

この一見当たり前に思えることに疑問を持ち

仕組みを考え、「自分に帰属する権利」を

形にするのがストックビジネスを作る思考

なのです。

 

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話を戻します

 

 

黒澤氏本人はやりがいを感じて走っていました。

汗して、役に立ち、結果が出て喜ばれる。

これは、独立した時のイメージに近いのです。

 

しかし、一つだけ思惑と違ってきたことに気づきました。

 

「この過酷なフロー地獄も、数年間やり続け

ればどんどん状況は良くなるに違いない。」

 

仕事には自信があるので、そう信じて目の前の課題を

こなす毎日のなかで見える小さな灯のような感情

だったのですが、これはもろくも崩れ去りました。

 

 

今後について悩んでいたその時のことです。

 

ある国際的な流通グループから舞い込んだ

酒類の国内販売立て直し案件で、すごい結果

を出したことが流通グループの経営者の目に

とまり。

 

「黒澤さん、香港本社で飲食もやっている

ので社員になって力を貸してください」と

声がかかったのです。

 

 

えっ!また一社員に戻る・・・・

 

予想もしなかった展開におおいに悩んだそうです。

 

個人でやるコンサルのフロー地獄からの

出口を模索してところでもあり

 

海外経験もキャリアになる

 

よし思い切ってゼロからやってみようという

決心に至り新天地香港への旅立ちました。

 

黒澤氏、すでに独立してから3年が経過していました。

 

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また社員に戻るという予想もしない展開

はたして香港で夢はかなえられるのか

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