人材を活かすユニークな長期的視点

大分セミナーに行った際に、ユニークな

会社があればインタビューさせて下さいと

主催者にお願いしていました。

 

紹介してもらったのが株式会社豊後グループ

の塩月直樹社長です。

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清掃の会社ですというから、地味な会社かなと

思いきや、衝撃的な話を聞いて、自分の考えを

変えようと思いました。

 

 

従業員の7割が高齢者、最高齢は80歳以上という

会社です。

 

鹿児島の大学で福祉を学んでいるときに学生起業

で清掃会社を興しましたが、この時には1年ともたずに

閉鎖。

 

その後、大分に帰ってメンテナンスの会社勤めを

経て、20年前に再度独立。

 

清掃会社なのですがいくつか決めたことがある

1 高齢者を雇用する

2 下請けはしない

 

今度こそ成功すると心に決めて立ち上げた塩月社長ですが、

運悪く最初のお客様の仕事中に屋根から落ちて両足骨折

の重体に・・・・

 

3ヶ月の入院では、もうこれでまた終わりかという状況の

なかで、病院の階段の清掃状態がすこぶる悪く真っ黒な

ことが気になりだして、足は使えないのの這いながら

何十年もこびりついた汚れの層を手作業で剥離して

看護師が黒い階段と思っていた階段を真っ白にした。

 

 

そしてこの病院の院長に呼び止められ、それから

この病院の清掃を請け負ったことが転機となり

ようやく社業も動き出した。

ちなみにこの病院は今でも清掃を続けています。

 

その後社業を伸ばす中で、高齢者雇用を続けたい

という意思はますます強くなっていった。

 

 

それは高齢者の歓喜の表情から始まった

そんなある時、会社が漁船を購入して社員(高齢者が中心)で

漁をしようということになるのだが、これがきっかけで

会社が大きく変わりだしたんです。

 

社員は仕事の傍ら早朝に漁にでるのですが、どういう

ことか高齢者が活き活きした表情を見せはじめた。

 

それを見て、塩月社長はすぐにアイデアが浮かんだそうです

「魚を釣り上げた瞬間の歓喜の表情を写真に撮ってくれ」

 

最初は軽く始めた漁だったが、これは面白いとなって、

次は市場に出せる資格を取得して、まるで漁師業のようだ(笑)

こうなると勤務前に週に2回漁船をだしたそうです。

 

裏話ですが、社長のお父さんが大の釣り好きで

教えてもらった漁場が知る人ぞ知るポイントらしく

魚がどんどん上がってきたそうです。

 

良い漁場を確保したので上がった魚は余る。

 

そこで塩月社長がまた考えた。

「よし社員(高齢者)の歓喜の写真と一緒に、

新鮮な魚を担当しているクライアントに配って回ろう。」

 

するとどうだろう、クライアントから次の漁へ

の予約が殺到したそうです。

 

高齢者の働き方も変わりだして、今までの2倍効率が

上がりだした。

「漁に出たいから仕事を早くする」と、

高齢者のモチベーションがどんどん上がる。

 

社員の中には船は苦手という人もいるので

なんと今は、

そんな社員の為に畑を始めて、魚から野菜

にも手を広げ、さらに、手作り料理を出す飲食店

も準備中とのこと

 

社長曰く

「高齢者の方が仕事の質は高いんですよ」

「クレームにもなりにくくてお客様は喜んでくれています」

「どう活き活きと仕事をしてもらうかです」

 

 

尚、この豊後グループの試みが評価されて

「高齢者雇用開発コンテスト 特別賞※」を受賞しています

※厚生労働省及び独立行政法人高齢障害求職者雇用支援機構共催

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人材不足が問題視されていますが、これから人口が減る中

高齢者雇用は大きなテーマです。

 

ストックビジネスにはお客様の継続性が大事ですが

そこには事業そのものの継続が前提です。

 

今回の塩月社長から頂いたメッセージには、

長期的な課題解決のヒントがありました。

まるで日本の未来を見た気がしました。

 

この模様はストックマインドvol.36「人材を活かす長期的視点」

にて、10月30日に配信いたします。

※ストックマインドはSBAの会員サービスです。

 



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